Apple Pencil

Apple Pencilシリーズ：iPadを進化させるスタイラスペン

Apple Pencilは、Apple社が開発したiPad専用のスタイラスペンです。2015年のiPad Pro発売と同時に登場し、以来、iPadでのクリエイティブワークやデジタル筆記を飛躍的に向上させる存在として進化を続けています。現在、複数の世代のApple Pencilが存在し、それぞれに異なる機能や対応機種があります。

Apple Pencil（第1世代）

初代Apple Pencilは、圧力感知と角度検出機能を搭載したスタイラスペンです。プラスチック製のボディにBluetoothデバイスを内蔵し、iPadとシームレスに連携します。筆圧の強弱によって線の太さを調整でき、自然で滑らかな書き心地を実現しています。20msという低いレイテンシーにより、リアルタイムでの描画が可能です。また、iPad Proではパームリジェクション機能もサポートされており、手のひらをつけても誤作動を起こしません。充電は、Lightningコネクタ経由で行います。

当初はiPad Pro専用でしたが、その後、多くのiPadモデルに対応が拡大されました。2022年には、iPadのUSB-C化に伴い、USB-C - Apple Pencilアダプタが同梱されるようになりました。

Apple Pencil（第2世代）

第2世代のApple Pencilは、第1世代と比べていくつかの改良が加えられています。iPad側面への磁気接続によるペアリングと充電が可能になり、よりスマートな使用感を実現しました。ペン先付近の側面をダブルタップすることで、ペンと消しゴムの切り替えを素早く行える機能も追加されています。iPadOS 13以降では、レイテンシーが9msにまで低減され、さらに滑らかな書き心地が実現されています。また、2022年発売のiPad Proでは、最大12mm離れた位置からの操作を可能にするホバー機能にも対応しています。

Apple Pencil（USB-C）

2023年発表のUSB-Cモデルは、USB-Cポートを搭載するiPadとUSB-Cケーブルで直接ペアリングと充電を行う点が特徴です。価格を抑えたモデルとして位置付けられており、第2世代に搭載されていたダブルタップ機能や筆圧感知機能には対応していません。デザインは第2世代に類似していますが、USB-Cポートはスライド式のキャップの中に内蔵されており、取り外しはできません。

Apple Pencil Pro

2024年発表のApple Pencil Proは、最新のiPad Proシリーズに対応した最上位モデルです。筆圧感知、傾き感知、ホバー機能に加え、新たにスクイーズ操作（ペンを強く押す）、バレルロール（ペン軸の回転検知）、触覚フィードバックといった高度な機能を搭載しています。紛失防止にも役立つ探すアプリへの対応も実現しています。第2世代が利用できなくなったiPad Proシリーズ向けに提供されています。

その他の機能と周辺機器

Apple Pencilは、単なる筆記ツールにとどまらず、様々なアプリとの連携により、多様な表現を可能にしています。iPadOS 14以降では、手書き文字をテキストに変換する「スクリブル」機能も利用可能です。

Apple Pencil以外にも、サードパーティーから様々なiPad用スタイラスペンが発売されています。しかし、Apple Pencilが持つ高い精度、低レイテンシー、パームリジェクションなどの機能を全て備えた製品は少ないのが現状です。

Logitech Crayonもその一つで、教育市場向けに設計されたスタイラスペンです。Apple Pencilとは異なり、筆圧感知機能は搭載されていませんが、低価格で多くのiPadモデルに対応している点が特徴です。

まとめ

Apple Pencilシリーズは、iPadの機能性を大きく広げる重要な周辺機器です。それぞれの世代で異なる特徴を持つため、自身の用途やiPadモデルに合わせて最適な製品を選択することが重要です。

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